『地元の木材を活かしたい』
高森さんは、高品質の国産木材「木頭(徳島)すぎ」
を活かした製品づくりに取り組んでいる。
那賀町で育てられた杉は「木頭杉(きとうすぎ)」という地域ブランド材。
国産木材の需要低下などにより林業従事者数が減少していたが、
近年では那賀町内の若手林業従事者「山武者」が組織され、
若手の育成が進むなどかつての活気を取り戻しつつある。
先人が大切に育て、林業従者の皆様が大切に切り出した「木頭杉」。
お客様に喜んで頂けるような品質の高い木材製品に加工し、
木頭杉の活用と地域への貢献を目指している。
『素材としての”木”との出会い』
アライア(木製のボード)に出会ったのは、サーフィンの現役時代。
先輩サーファーが、板切れボードで
ターンなしにスピードあるライディングした光景を目にしたのが始まり。
それまではトライフィンが当たり前だと思っていたが、
先輩から貸してもらって、なかなかテイクオフが出来なくて悔しい思いをした。
しかし、立ったままでトップスピードが出る様子に感動をおぼえた。
このことはサーフィン感が180度変化するきっかけになったと言う。
「素材としての木の可能性」「シンプルなかっこよさ」「無重力な乗り心地」に取り憑かれた。
“木の独特な、しなりが、最速の加速を生む。まるで水の上に浮いてるかのような無重力感を味わえる”
有害な素材で無理にボードを作らなくても良いのでは。
確かに、波の状況、条件に合わせないと乗れないボードではあるが、
これこそが、波乗り本来あるべきこと。波が良い時に波乗りをする。
波が悪いとか、ボードのせいにして海の中で文句を言うこともなくなるんじゃないか?
こんなピースフルで、初心者のころのテイクオフの喜びを感じさせてくれるボードが
エコアンドグリーンであり、山川海をつなぎ、守るのではという考えが芽生えた。
『山川海を繋ぐ』
山林の持つ水源涵養機能、土砂流出防備機能、二酸化炭素(CO2)の固定機能などは、
山に育つ木材が適切に伐採・管理されることで維持される。
地域材を活用し、山を守ることで那賀川などの河川や下流の海の環境保全にもつなげたい。
その過程で、自分が作った製品を通じて
山や川、水辺を支える山地という自然のシステムに興味を持ってもらえると嬉しい。
このような願いを込めて、地元木材を使い一つ一つ手作業で製作している。